2004.02.27 Friday

2.美しくなってきた地球--3)中生代

3)中生代
中生代のトリアス紀になると爬虫類から恐竜が派生し、中生代を通じて恐竜王国が出現した。体長が40mをこえるサイズモサウルス(ジュラ紀後期)やアルゼンチノサウルス(白亜紀中期−後期)などの集団移動、ジュラ紀後期の海を泳いでいた体長25mの首長竜リオプレウロドンの雄姿、そして翼長が12mもある翼竜のケツァルコアトルスやオルニトケイロス(白亜紀後期)が群舞する様子などは、宇宙船から高分解能の望遠鏡で観察できたはずである。そして白亜紀中期(1億年前)になって、ようやく花を咲かせて実を結ぶ被子植物が繁栄し始め、森の彩りも増えた。それにともなって昆虫も種類を増やし、昆虫を捕食する鳥類も進化して、陸上は急速に賑やかさを増していったのである。

恐竜や翼竜、魚竜などは6500万年前の白亜紀末にアンモナイトなどとともに絶滅し、中生代の幕が閉じた。世間的には隕石衝突説が受け入れられているが、世界的な火山活動の活発化、急激な海水準の低下(海退)や気候の寒冷化などの環境要因がさまざまに複合していて、究極の原因はまだ解明されていない。だが原因が何であれ大異変は短期間で終息し、新しい時代の幕開けとなった。

2004.02.27 Friday

3.なぜ地球は生き物の星なのか--2)土:固体地球と生命圏の媒介

2)土:固体地球と生命圏の媒介
地球環境問題への対応として「緑を守れ」と言う声が上がっている。植物が水と二酸化炭素からでんぷんを光合成することで草食動物を養い、それらが肉食動物を養うことで生態系が維持されていると考えているからである。確かに光合成を行う植物は基礎生産を支えているが、炭素・酸素・水素・窒素だけで生育しているわけではない。その他の元素も必要である。たとえば窒素・リン・カリウムは植物の三大栄養素であり、光合成を行う葉緑素にはマグネシウムが必要である。

植物の生育には上記の7種類を含めた16種類の元素(硫黄、カルシウム、鉄、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ホウ素、塩素)が必須である。さらに動物にはナトリウム、臭素、ストロンチウム、フッ素、ヨード、バナジウム、ニッケル、クロム、セレン、コバルトを加えた26種類の元素が不可欠である(6)。そのうち酸素・炭素・水素・窒素は大気と水に含まれているが、残りの12元素および22元素は土壌〔土〕にしか含まれていない。植物は土から14種類の必須元素を吸収するだけでなく他の元素も吸収して体内に蓄えるので、草食動物と肉食動物は成育できるのである。もしも動物に不可欠な生元素が土に欠乏していれば動物は生きていくことができない。

その具体例がニュージーランドの牧草地である。英国からニュージーランドに殖民した白人たちは、19世紀末に原生林を大々的に切り拓いて牧草地を造成し、オーストラリアから輸入した羊を放牧した。輸送船から解放された羊は牧草を食みながらも、数週間もするとよろけて歩けなくなり死んでいった。その原因を調査した結果、コバルトの欠乏による神経障害だと判明した。土にほとんど含まれていなかったのである。そこでコバルトを含んだ岩石粉を牧草地に散布したところ羊は健やかに育ち、同国は英国に対する食肉基地として繁栄したのであった。この歴史的事実は土の主成分を生み出す母岩の鉱物組成によって土の肥沃度が左右されていることを示している。実際、方解石(炭酸カルシウム)からなる石灰岩地帯の植生は一般に貧弱である。

火山灰に由来する土を除けば、その主成分は礫と砂〔砂利〕とシルトと粘土鉱物〔泥〕であり、いずれも岩石風化の産物である。そのうち砂利は植物の根を支える支持基盤の役割を担っているが、保水力を欠いている。一方、泥に支持能力は無いが、粒子の表面に水を吸着するので、土は保水力をもつことができる。また陽イオンを吸着するので各種の水溶性イオンが保持され、最終的には根毛を通じて水と共に吸収されるのである。従って温暖な湿潤地帯では、岩石風化の産物である砕屑物〔土砂〕が堆積する崖錐、扇状地、地すべりの末端、沖積地などには肥沃な土が発達しやすい。たとえば山形盆地でみれば、脊稜山脈の山麓に発達した小さな扇状地や緩斜面には果樹園が開かれ、地すべり地と盆地は水田となっている。

このように土の存在も地球が生き物の星であるための必要条件の一つであり、土を媒介として生命圏は固体地球と直結しているのである。

2004.02.27 Friday

3.なぜ地球は生き物の星なのか--1)従来の説明

3.なぜ地球は生き物の星なのか
1)従来の説明
地球は46億年の歴史を通じて、地質的にも地形的にも気候的にも多様化した。それにともなって生命圏も多様化した。こうして美しい星になってきた地球が太陽系惑星のなかで唯一生命圏を維持している理由は、一般的に以下のように説明されている(5)。

まず地球のサイズが適当だったために水と大気が引力で保持されたことである。月や火星のサイズでは引力が不足して、大気も水も宇宙空間に散逸してしまうのである。次に太陽からの距離が適当だったために地表で水が液体・固体・気体として存在できたからである。金星のように太陽に近いと地表の水は強い太陽光によって蒸発し、大気上空で水蒸気が酸素と水素に分解され、軽い水素は宇宙空間に散逸し、酸素は金属元素と結合する。その結果水は失われ、二酸化炭素を主体とする大気が残り、温室効果のために地表は400℃を越える高温になってしまう。一方、火星ほど太陽から遠ざかると、太陽光は弱々しくなり、水は氷としてしか存在できなくなるので、生命活動は停止してしまう。

だが、これら二つの条件は必要条件ではあっても決して十分条件ではない。生命圏の維持にはさらに多くの条件が必要なのである。

2004.02.27 Friday

新生代

4)新生代
新生代が始まると、それまで恐竜や爬虫類などに圧倒されていた哺乳類が大繁栄することになった。一方、植物界では被子植物がますます繁栄するとともに、始新世の乾燥化にともなって草が出現した。特に中新世(2400万年)以降、広大な裸地は草原に変わり、「緑の大地」が出現した。大草原には昆虫と鳥、モグラやヘビなどからなる、森林とは違った生態系が新たに発達し、地上はますます賑やかになっていった。

植物相が豊かになったことで、漸新世後期(2500万年前)に人間の遠い祖先である霊長類が出現し、樹上生活を営んだ。その間アルプス、ヒマラヤ、ロッキー、コルディレラなどの大山脈が形成されて大気循環のパターンが複雑化した。そして細分化した気候区ごとに特徴的な地形と生態系が発達することになった。鮮新世(500万年前)になって東アフリカの乾燥化によって森林が縮小し草原が拡大した時、二足歩行する人間の直接の祖先である猿人(オルロリン属)が草原に出現した。
170万年前の更新世(第四紀)になると氷期−間氷期の周期が始まり、数十万年前から10万年周期が明瞭になった。高緯度地域と中緯度地域の高山では氷河地形が発達し、海岸線は周期的な海水準変動によって複雑化した。また中緯度地域では四季の変化が確立し、森林と草原の景観も周期的に変化するようになった。現在スペースシャトルから観察できる自然景観、すなわち森林あり草原あり砂漠あり、高緯度地方には山岳氷河が見え低緯度地方の海岸にはサンゴ礁が見える景観が現れたのはごく最近の出来事なのである。                     

東アフリカで出現した猿人はそうした気候変動の下で、アウストラロピテクス属をへて原人(ホモ属)へと進化し、その仲間であるホモ・エレクトゥスなどがアジアやヨーロッパに進出して複雑な進化の道をあゆんだ(4)。そして10数万年前、東アフリカにホモ・サピエンス(現代人)が出現し、およそ5万年前から全世界に移住していった。

2004.02.27 Friday

古生代

2.美しくなってきた地球
2)古生代
5億4500万年前のカンブリア紀になると、エディアカラ動物群は姿を消し、新たに三葉虫やヒオリテラス、ラトウケラのような硬い殻をもつ動物が出現した。そして大型捕食動物のアノマロカリスが出現したり、石灰藻と海綿が熱帯で礁をつくったりしたことで食物連鎖が複雑化し、海の生き物たちは爆発的に進化して1万種以上にふえた。オルドビス紀になるとサンゴが出現してサンゴ礁をつくった。今日の南太平洋の島嶼周辺に見られるようなサンゴ礁の景観は、この時代に初めて出現したのである。そしてサンゴ礁周辺には複雑な生態系が形成され、さまざまな色と形を持った生き物が生息するようになった。

カンブリア紀以降の海では海棲生物が進化・発展をとげていたが、陸上に植物が出現するのは約4億年前のシルル紀末である。赤茶けた大陸の海岸線がようやく緑(シダ植物)で縁取られるようになったのである。そして石炭紀になるとシダ植物は大森林を形成し、地下に石炭層を蓄えていった。だがシダ植物は水辺を離れて森林をつくることは無かった。約3億年前のペルム紀になると乾燥に耐える裸子植物のイチョウやソテツの仲間が出現し、次の中生代を通じて水辺を離れて内陸部に生息地を拡大していった。だが、まだ花を咲かせる樹木は無く、森林の彩りは単調だった。

陸上植物の繁殖にともなってデボン紀の海では魚類が爆発的な進化を遂げ、淡水域にも進出した。そして石炭紀になって魚類から進化した両生類が陸上に姿を現し、それから爬虫類へと進化した。

2004.02.26 Thursday

続々・煙草考 --K.N

また100%かぁ?って呆れられそうですが・・・そうですねん!俺は煙草も煙草の葉100%のんを愛飲してます。えっ?そんなん当たり前やろ!って?とんでもない!JTの紙巻煙草で煙草葉100%のは一銘柄もありません。まあ世界中の紙巻煙草の殆どが100%やないんでね・・・化学化合物がタップリと詰め込まれてます。俺の吸ってるのはアメリカ製で(宣伝する気はないんで銘柄は敢えて伏せときます)無農薬で有機栽培された煙草葉を100%、、フィルターもJTの陰謀であるチャコールなんて全く入ってない天然アセテートのみ。発火剤(これも身体に良くない><)も全く使われてないから火のつきがチト悪いんです。

愛煙家は、夫々に個人差はあっても飛行機に搭乗してるときなんか禁煙時間が長いと辛い筈です。2時間以上にもなると拷問です。実はあれねぇ・・・ニコチン中毒のニコチン禁断症状やと誰でも考えてられるみたいですけど、ニコチンだけではなくてね、吸わんとガマンが出来なくなるような化学化合物もチャント抜け目無く添加されてますねん。(これは俺の勝手な推理、、念のため)俺の場合はそれが入ってないんでね、3時間位の禁煙は全く平気なんです。知人にその事を言ったら「そんなに不味い煙草かぁ?」って言われてしまいました^^阿呆かいなぁ〜嗜好品ですしねぇ、味なかったら吸いません。俺はこの煙草葉本来の味がするピユァーでシンプルな煙草が気に入ってます。

煙草は、どうせ健康に悪いニコチンやタールが入ってるからと、農薬を使われてるかどうか、化学化合物が混入されてるかなんて誰も頭から気になどしては居られないようですなぁ。。さて、、今夜もイップク(^。^)y-.。o○

2004.02.25 Wednesday

続 煙草考 --K.N

煙草のパッケージには実に奇妙にして、お節介な文章が必ず印刷されている。「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」およそヒトの行動で、飲みすぎであれ、食べすぎであれ、どんな事でも遣りすぎて健康を損なわないことが一つでもあるのだろうか?「過ぎたるは及ばざるが如し」という諺もあるが、及ばざるよりも過ぎる事のほうが健康には間違いなく悪いのである。何故、煙草だけに限ってこんな解りきった事の印刷をお上は強要しているのか?

煙草が健康に良くないのなら「あなたの健康に悪いので決して吸わないようにしましょう」と印刷すべきではないか?過ぎるから悪いと云う論理ならば煙草だけに強要するのは理不尽であろう。ジョギングやウォーキングでさへ毎日何時間も続けていれば必ずや健康を損なう。であれば・・・スポーツシューズのパッケージに「あなたの健康を損なうおそれがありますので、歩きすぎ、走りすぎに注意しましょう」と印刷すべきではないか?コンドームのパッケージには「あなたの健康を損なうおそれがありますの遣りすぎに注意しましょう」と印刷すべきではないか?お酒などは過ぎれば急死にも繋がるのに飲みすぎに注意しましょう。と、印刷されていないのは如何なる理由であろうか?繰り返すが、、、どんな事であれヒトのする事は過ぎれば健康を損なうのである。煙草だけが中世の魔女狩りのような不合理きわまりない弾圧を受けている。なんとも・・・???である。

あなたの健康を損なうおそれがありますので下手なコラムの読みすぎに注意しましょう。(-。-)y-゜゜゜

2004.02.25 Wednesday

煙草考--K.N

今夜は煙草の話しである。俺の知人が口癖のように「身体に悪い事は解ってんねんけど・・・」とぶつぶつ言いながら紫煙を燻らせている。それなら止めれば良さそうなものを・・・悪いと思いつつ我が心を自虐的に責めて吸い続けるストレスが一番悪いような気がするが?どうやら世間の常識として煙草は身体に悪いと信じられてる事は疑いの余地が無い事実らしい。

俺も愛煙家である。実になんとも、心身に気分良く感じて若い頃から大らかに吸っている。
煙草が身体に良いか悪いかを議論したいとは思っていない。俺は身体に良いと思っているが、世間の常識では既に悪いものと結論が出ているようである。まあ、煙草は所詮「嗜好品」であって、各自の判断で勝手にすれば良いことであろう。俺の煙草への思いや考え方を馬鹿馬鹿しいと思うヒトは一笑にふそうが、ここで読むのを止めようが、「阿呆かぁ!」とレスしようが、、、勝手にして頂けばよろしいのである。

一昔前に日本中の何処の病院や医院に行っても煙草を吸っているヒトはこんな肺になりますよ!とばかりに真っ黒な肺の内部写真の煙草撲滅運動みたいなポスターが貼り出してあったのを記憶されてる方は多いであろう。実際、あの写真のインパクトは衝撃的であって、煙草を吸えばこんな黒い肺になるのかと恐れ慄いて禁煙したヒトも多いのではなかろうか?今でも信じ込んでるヒトは少なからず居られると思う。いつの頃からか、あのポスターは世の中から消滅してしまった。実はあの衝撃的な写真は某大学医学部の捏造写真であったらしいのである。どんなにヘビースモーカーでも喫煙で肺が黒くなりはしない。全く喫煙経験がなくともヒトは年老いれば肺が黒く変色する。つまり、あのポスターは肺の中など覗けない事をイイことに煙草を健康に悪いと人々を思わせる目的で捏造配布されたのである。その事を報道したマスメディアは今日に到るまで俺の知る限り一件もない。恐ろしいほどの世論操作である。

煙草を吸うと、一本吸うたびに10分とか15分とか寿命が短縮されると、まことしやかに喧伝されている。もしそれが事実なら、先進国で一番喫煙率の高い日本人男性は先進国の中で一番平均寿命は短い筈である。しかし事実は・・・世界一の平均寿命を誇っている。実験用マウスの皮膚に煙草の成分であるタールを毎日塗り続けると皮膚ガンになるらしい。当たり前である。タールでなくとも味噌でも醤油でも毎日大量に同じ部位に塗り続ければ簡単に皮膚ガンを誘発する。喫煙は肺ガンの大きな誘因と言われ誰もがそれが常識と思っている。恐怖感と健康志向から禁煙者が増加し、煙草を止められないヒトの為には、続々と軽い煙草、、ニコチンやタールの少ない煙草が売り出されている。さぞかし肺ガンは激減している筈・・・・・んっ?
なんで毎年毎年肺ガン患者は増えてるの???

喫煙により心拍数が上がるから心臓の悪いヒトには煙草が良くないから止めなさいとお医者様は仰る。心臓の悪いヒトは心拍数が急激に上がるスポーツのほうが良くないのではなかろうか?ジョギングや散歩が心拍数が上がるから止めた方が良いと仰るお医者様が居られないのも妙ではないか?。煙草ほど気分が沈んでいるときに高揚してくれて、気分が高揚してるときに鎮めてくれる嗜好品はない。煙草は心の栄養剤であると俺は心から思っている。

肺ガンが増え続けているのは車の排気ガスや、その他の石油文明が排出する大気汚染物が主原因であり、それらから眼をそらす必要に迫られて煙草を魔女に仕立てている強大な力が
世界中をマインドコントロールしている。・・・と、俺は勝手に思い込んでいる。。念のために申し添えるが俺は親戚縁者も含めてJTとはなんの関わりも無い。。

さて・・・いっぷく
(^。^)y-.。o○
今日も元気だ煙草が旨い!!

2004.02.25 Wednesday

続・酒の文化-K.N

日本酒は3種類に分類されている。普通酒・本醸造酒・純米酒である。俺に云わせれば日本酒と呼べるのはこの中で純米酒だけである。ドイツが大麦100%を原料にしたモノだけをビールと定めているように日本でも米100%を原料にしたモノだけを日本酒と何故定めないのか?

元来、日本酒は米100%で製造されてきた。しかし戦時中の米が不足した時に止むを得ず廃糖蜜を醗酵させたアルコールを添加し3倍に薄めて日本酒を造ったのである。緊急避難措置として止むを得なかった。ところが戦後も日本酒のメーカーはこの「三倍醸造」と呼ばれるアルコール添加を止めなかった。昨今の米余り現象の中ですら決して止めようとしない。理由は簡単!日本酒を三倍に薄めて、水や化学調味料やその他の化学添加物を加えて調整し普通酒として売るのがボロ儲けになるからである。本醸造酒は流石に化学調味料などは加えていないらしいがアルコールは添加して水で薄めている。それが日本酒の情けない文化である。幻の銘酒等と持て囃されている新潟の「越の○○」もアルコール添加の酒である。そんな物を有り難がって呑んでいる日本人・・・その程度が日本の酒文化の現実である。純米酒が日本酒として当たり前なのにそれを当たり前と思うこともしない日本人・・・摩訶不思議である。

若しもフランスでワインに廃糖蜜アルコール添加や水や化学調味料を加えたモノを「普通ワイン」、「本醸造ワイン」とし、従来のワインを「純葡萄ワイン」としたらフランス人は許すだろうか?蛇足ながら・・・俺は自宅では純米酒しか呑まない。。

2004.02.25 Wednesday

酒の文化--K.N

お酒はなんでも嗜むけれどやはり最初の一杯は日本人らしくビールが美味しい。しかし残念な事にここ数年、各ビールメーカーはビール風味のアルコール飲料の開発と販売に余念がない。ビールの酒税が他の酒に比べて桁違いに高いから(日本だけ)酒税の安い発泡酒なるモノを作って低販売価格にするためとはいえなんとも憂慮する軽薄な風潮である。

そんな中で今年はサッポロが「ドラフトワン」という新製品を発売した。驚いたことに麦を一切使わず「えんどう蛋白エキス」から作るビール風味アルコール飲料で雑酒に分類されるとのこと・・・発泡酒(350ML・145円)より更に安い125円で販売中である。発泡酒は曲がりなりにも25%の麦芽を原料にしてるからまだしも、えんどう豆から作った雑酒をいかにもビール風に宣伝して販売かぁ・・・サントリーは麦芽100%のビールに麦焼酎をブレンドして「麦風」という新製品を3月に発売する。なんと・・・リキュールに分類されるから130円とのこと。ちなみにビールは350ML・218円である。一旦ビールを作り、わざわざ麦焼酎をブレンドするという工程を経たら発泡酒よりも安い130円になる・・・?。俺の茫洋とした頭脳では到底、理解不可能な不思議な日本の酒税法である。

ビールの本場ドイツでは麦芽100%で醸造したものしかビールとは認めていない。500年も前に作られた有名な「ビール法」でビールとは「麦芽・酵母・ホップ・水」から作られたものだけと厳密に規定されている。日本製ビールのトップ銘柄やその他の殆どのビールもコーンスターチや米などの副原料を使用しており、麦芽使用量は65%強である。俺は自宅では麦芽100%のビールしか飲まない。日本で麦芽100%と酵母とホップと水だけで製造されたビールの銘柄を皆さんは幾つご存知ですか?
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