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2004.02.27 Friday

3.なぜ地球は生き物の星なのか--1)従来の説明

3.なぜ地球は生き物の星なのか
1)従来の説明
地球は46億年の歴史を通じて、地質的にも地形的にも気候的にも多様化した。それにともなって生命圏も多様化した。こうして美しい星になってきた地球が太陽系惑星のなかで唯一生命圏を維持している理由は、一般的に以下のように説明されている(5)。

まず地球のサイズが適当だったために水と大気が引力で保持されたことである。月や火星のサイズでは引力が不足して、大気も水も宇宙空間に散逸してしまうのである。次に太陽からの距離が適当だったために地表で水が液体・固体・気体として存在できたからである。金星のように太陽に近いと地表の水は強い太陽光によって蒸発し、大気上空で水蒸気が酸素と水素に分解され、軽い水素は宇宙空間に散逸し、酸素は金属元素と結合する。その結果水は失われ、二酸化炭素を主体とする大気が残り、温室効果のために地表は400℃を越える高温になってしまう。一方、火星ほど太陽から遠ざかると、太陽光は弱々しくなり、水は氷としてしか存在できなくなるので、生命活動は停止してしまう。

だが、これら二つの条件は必要条件ではあっても決して十分条件ではない。生命圏の維持にはさらに多くの条件が必要なのである。

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