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2004.02.27 Friday

新生代

4)新生代
新生代が始まると、それまで恐竜や爬虫類などに圧倒されていた哺乳類が大繁栄することになった。一方、植物界では被子植物がますます繁栄するとともに、始新世の乾燥化にともなって草が出現した。特に中新世(2400万年)以降、広大な裸地は草原に変わり、「緑の大地」が出現した。大草原には昆虫と鳥、モグラやヘビなどからなる、森林とは違った生態系が新たに発達し、地上はますます賑やかになっていった。

植物相が豊かになったことで、漸新世後期(2500万年前)に人間の遠い祖先である霊長類が出現し、樹上生活を営んだ。その間アルプス、ヒマラヤ、ロッキー、コルディレラなどの大山脈が形成されて大気循環のパターンが複雑化した。そして細分化した気候区ごとに特徴的な地形と生態系が発達することになった。鮮新世(500万年前)になって東アフリカの乾燥化によって森林が縮小し草原が拡大した時、二足歩行する人間の直接の祖先である猿人(オルロリン属)が草原に出現した。
170万年前の更新世(第四紀)になると氷期−間氷期の周期が始まり、数十万年前から10万年周期が明瞭になった。高緯度地域と中緯度地域の高山では氷河地形が発達し、海岸線は周期的な海水準変動によって複雑化した。また中緯度地域では四季の変化が確立し、森林と草原の景観も周期的に変化するようになった。現在スペースシャトルから観察できる自然景観、すなわち森林あり草原あり砂漠あり、高緯度地方には山岳氷河が見え低緯度地方の海岸にはサンゴ礁が見える景観が現れたのはごく最近の出来事なのである。                     

東アフリカで出現した猿人はそうした気候変動の下で、アウストラロピテクス属をへて原人(ホモ属)へと進化し、その仲間であるホモ・エレクトゥスなどがアジアやヨーロッパに進出して複雑な進化の道をあゆんだ(4)。そして10数万年前、東アフリカにホモ・サピエンス(現代人)が出現し、およそ5万年前から全世界に移住していった。

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