2003.07.07 Monday

地球の歴史を長さで表すと

「地球史が教える若者の生き方」 原田憲一 (c)Harada, Kenichi 2002-
2.地球の歴史を長さで表すと

 地球が46億年から45億年前に生まれたことはほぼ確実です。しかし、高校生には46億とか45億という数字はぴんと来ないでしょうから、今日は荷づくり用テープをもってきました。全長が450mなので45億年に対応させると1億年が10mに相当するわけです。1000万年が1mです。(註1)

 人類の出現が500万年前ですから、地球の歴史が450mある中で、最後の50cmで人類の歴史が始まったことになります。そして17cm前つまり170万年前から四季の変化がはっきりし始めてきます。(註2)人間が人間らしくなってくるのが100万年前で、アフリカで今の我われと同じホモ・サピエンスが出現してきたのが約10万年前といわれているので、端から1cm。そして5万年前にアフリカから出て世界中に散らばっていって、1万年前つまり1mmのところで農業を始めた。そして世界の四大文明(メソポタミア、エジプト、インダス、中国)が生まれたのがわずか0.5mm。産業革命が起こったのが200年前だから0.02mm。そして今のような環境問題が起こったのは50年前だから0・005mm。こんなところに我われは住んでいる。そして君たちは15、16歳だから、テープ末端の0.0015mm、もう顕微鏡でないと見えないところで人生を過ごしているわけです。
 
 我われが抱えているさまざまな問題を解こうとした時には、その歴史をなるべく遠くまで遡って調べる必要があります。このテープで言えば、少なくとも10m前から変化傾向を詳しく調べれば、あと1mmか2mm先さらには1cm先がどうなるかをかなり正確に推測できるようになります。私は地質学者ですから、450mのテープの巻き始めまで戻って地球の歴史を調べてみましょう。

註1 拙著『地球について』(国際書院)第20章「新しい生き方を求めて」の、地球の歴史を1年に換算した地球史カレンダーを参照してください。
註2『地球について』第14章「地球環境の変遷」を参照してください。

2003.07.07 Monday

なぜ人間は死ぬと分かっていても生きていくのか

「地球史が教える若者の生き方」
1.なぜ人間は死ぬと分かっていても生きていくのか
京都造形芸術大学芸術学部教授 原田憲一 (c)Harada, Kenichi 2002-

本日は「地球史が教える若者の生き方」という題でお話ししますが、若者が生きて行く先には「死」があります。つまり人間は必ず死ぬわけです。君たちも、生きていれば死ぬと分かっているのに、なんで生きて行かねばならないのか、と考えたことがあるかと思います。真面目に考えようとする若者ほど悩むのですが、万人を納得させる「これだ」という答えは、今のところない。
歴史的にみれば、釈迦とかイエス・キリストとかソクラテスなど何人かが、答えを出したことになっているのですが、そうした聖人や賢人が考えたことを、後世の凡人たちがそのとおりに理解しているかどうかについては確証がない。例えば、今から2000年前にイエス・キリストが「人間はこう生きるべきであろう」と語った言葉が新約聖書に残っています。しかし、本当に本人がそう考えたかどうか、今となっては確認できない。たとえ本人が考えたことだとしても、それを現代の読者が正確に理解できているかどうかについては判断できない。
だから同じキリスト教と言ってもさまざまな宗派ができるわけです。
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2003.07.07 Monday

39会のアルバム

これまでの39会のアルバムはここにあります。
http://vandye.com/ml/39_ml/39kaiPhotoCollection/index.html
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