2004.06.16 Wednesday

運転も人生も・・・ K.N.

若い頃の傍若無人、悪行三昧の結果、、、(^_^;)
俺は一度だけ19歳の時に被告になって裁判を受けたことがある。

交通違反が度重なり、今のように点数制度ではなくて
自動的に免許取り消しになることもなく、
それでも成人ならば免許取り消しになるケースであったが、
今も変わらぬ未成年には甘い日本のこと・・・
免停だけで済んでいたし、勿論免停中も(気をつけて^^)運転していた。

しかし流石にそれも限度があり、遂には家庭裁判所から出頭命令がきてしまった。

で・・裁判官一人と書記、俺と俺の保護者(亡父)だけのミニ法廷・・・
罪状認否があり、俺は情状酌量を期待しつつ、反省の色と悔悟の念を
全身で精一杯示して、素直に罪を認めたのである。
すぐに判決、主文の読み上げ・・・「被告を金十万円の科料に処す」ときた!
普通車が40万円やった時代やから、10万円は今の貨幣価値なら50万円は下らない。

えらいこっちゃ><と思ってる間、裁判官は判決理由を淡々と・・・
終わったところで恐る恐る聞いた・・・
「あの・・・その10万円を払わへんだらどうなるんですか?」
「成人なら、それに見合った日数の懲役刑。」(ギョッギョッ””(゜o゜) )
「君は未成年やから、四日間の拘束で、
交通安全の教育講習を受ければ罰金は免除される」
「・・・少年鑑別所で??」 「鞍馬寺で三泊四日・・・費用は無料です」

おおっ〜!?タダで三泊四日も鞍馬寺に泊まって、それで許される!?
最高やがなぁ〜\(^o^)/

で・・・参加したのであるが、なにしろ暴走族みたいなチンピラばっかり・・・
俺を含めて約30名。ろくに字も読めんような連中ばかりで
休憩時間には境内の売店に行き、店を出てから皆が菓子パンやジュースをくれる。
えっ?悪いネェ・・・と貰ったけれど、よく考えれば誰もお金を払ってない。
全部、万引きしてきた品物。これはえらいグループに属したもんやと痛感させられたし、
なんでこんなとこへ来る破目になったのかと
情けなく・・・遣る瀬無く・・・じわじわと応えて来た・・・

未成年ばかりであるが、教官は決まった場所での喫煙を許してくれる。
なにしろ鞍馬寺の境内やし、喫煙率100%の未成年グループ・・・
禁煙にしても隠れて吸うのは眼に見えてる。
文化財が焼ければ大変やから・・が理由であるが、おおらかな良き時代でもあった。

昼間は講習、夜にもやはり集会があり、
そこで毎晩歌わされた歌詞とメロディーは今でも不思議と覚えている。

 ♪昨日もらった 運転免許〜彼女に見せたら云われたよ〜
   規則守って 運転してねぇ〜さもなきゃぁ 嫌よドライブは〜♪

最終日には仕上げの試験。100点を取ったのは俺だけで
2番以下の成績は50点未満ばかり・・・
鼻高々でいたら・・・教官に別室へ呼ばれた。

「大学生で此処にきたのはいまだかって、お前だけや。
他の連中はろくに学校へも行ってない不良ばかり・・・
お前の成績の良いのは当たり前で、なんの自慢にもならん。
それより、こんなとこへ来たことを恥じろ!
二度と悪質な交通違反はするなよ・・」と言葉を尽くして懇々と諭して戴いた。

以来、心を入れ替えて安全運転に徹してきた。
長い間には、ウッカリ違反で切符を切られたこともあるけれど、
ほとんど毎日運転をしているが、現在は20年以上「無事故無違反」である。

安全運転だけではない。人生の生き方まで教えられた
あの貴重な体験を与えてくれた裁判官と、
親身になって諭してくれた教官に俺は今でも感謝している。。

この話しには後日談があり・・・
それから数ヵ月後・・・イニシャルを書くだけでも
ああっ!あいつか!と皆さんに知れるので伏せておくが
39会同窓生の某君・・・彼の運転する車に乗せてもらい
「お前の運転は、えらいおとなしくなったなぁ〜」と感心して尋ねた。
某君、曰く・・・「違反ばっかりしてて、こないだ鞍馬山まで講習に行かされてなぁ・・・
同志社大学生で此処へ来たんはお前が二人目じゃぁ!恥を知れ!って、云われたがな・・・」

某君も今では、お父さんの後を継ぎ京都市内で・・・いや詳しくは不味いね^^
時々市内ですれ違うが・・・云うまでもなく、俺も某君もマナー良く、安全運転である。。
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