2004.05.11 Tuesday

本郷求道会館

求道会館2階東側ギャラリー
どこかで見た記憶のあるような、、、。そんな写真ですね。われわれになじみの深い同志社チャペルを研究しているような気がします。
これは。実は東京本郷の「求道会館」(きゅうどうかいかん)という仏教教会です。近角常観(ちかずみじょうかん)という東本願寺にゆかりの深い仏教者が伝道のために1915年(大正4)に武田五一に設計を依頼して竣工した名建築で、昨年修復工事が終わり、東京都指定の有形文化財となっています。
ここに他の写真をまとめたアルバムがあります。ディテールをたっぷりお楽しみください。
同世代の辰野金吾を明らかに意識した次世代のニュートレンドが見られます。江戸好みのあっさり味。力学的に合理性を追求した2x6の合わせ梁。工業製品としてのフラットバーを加工した2階ギャラリーの卍くずしの手摺と外部出入口の庇の支持金物。ステンドグラスの品のよさはティファニー顔負け。窓枠のひとひねりした鋭角を出したデザインは非常に新鮮。
音響効果がとても良く、修復後はしばしばコンサートが行われていて大好評だそうです。ついこないだはなんと新内だったそうで、邦楽の演奏者にも認められるホールだそうです。5月にはリュートのコンサートが予定されているとのこと。
当然、法話の伝わり方も尋常では無かったでしょう。出来た当時は数百人の聴衆が入りきれなくて、道路にまで溢れたそうです。
決して派手ではなく、品格の良さを保ちつつ、当時としての先端を突っ走る思い切りの良さ。すべての面で頭脳的なデザインです。フランク ロイド ライトと同じ歳だとお聞きしました。毎週第4土曜日に解説付きで公開されています。関東在住の方はぜひ見る価値があります。
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