<< 1. はじめに--美しくなってきた地球と人間の役割 | main | 2002.5.12東京39会ゴルフ予定 >>

2003.12.04 Thursday

2.美しくなってきた地球

2.美しくなってきた地球
1)先カンブリア時代
最近の地球史・生命史を扱ったビジュアル本を見れば明らかなように(1)−(3)、46億年前、無数の隕石衝突で誕生したばかりの地球(復元図)と現在の姿(人工衛星写真)を比べると、地球の景観が美しくなってきたことは一目瞭然である。当時の地球は、宇宙船から眺めれば、隕石衝突時の発熱で地表の岩石が溶けてできたマグマの海(マグマオーシャン)で覆われて赤黒く光る「火球」でしかなかった。原始地球の形成直後に火星ほどの大きさの天体が地球に衝突して月を形成した(ジャイアントインパクト)と言われているが、その直後も隕石衝突の発熱で地表は再びマグマオーシャンに覆われたはずである。そして分厚いマグマの内部から二酸化炭素と水蒸気が盛んに蒸発して原始大気を形成した。大気上空には分厚く雲が発達して「雲球」となり、地表は隠されてしまった。42億年前になると、激しい隕石衝突が止んで地表温度が低下したために、大気中の水蒸気が凝結して雨となって地表に降り注いだ。地球史上初の集中豪雨がどのくらい続いたのか不明であるが、地質学的にみれば地球は一瞬にして海に覆われて「水球」に変わったと言えよう。その後も隕石は間歇的に衝突しつづけたが、いずれも小規模なもので、海水の組成を変えたり大陸そのものの姿を変えたりするほどの影響は与えなかった。

海の誕生直後およそ40億年前に原始的な単細胞生物が誕生したが、宇宙船から見える地質現象は、活発な海底火山活動によって海洋のあちこちに形成されたハワイのような火山島だけであった。それらがプレートに乗って移動する様子を100万年を1秒とするコマ落としで撮影すれば、次々に生まれ出る火山島が衝突・合体を繰り返してだんだん大きな陸塊に成長し、20億年前にはいくつかの大陸となった経過がよく追えたはずである。さらに、そうした大陸がおよそ2億年の周期で衝突・合体と分裂・離散を繰り返し(ウィルソン・サイクル)、そのつど大山脈や火山列、地溝帯や沿海などが形成されて、大陸の地形が次第に複雑化していった経過もよく追えたはずである。

35億年前に出現した酸素発生型の光合成を行うシアノバクテリア(らん藻)は、25億年前から陸塊をとりまく浅海域にストロマトライトを広範に形成し、海水中に遊離酸素を盛んに放出した。初期の遊離酸素は海水に溶存していた鉄と結びついて鉄錆(酸化鉄)をつくり、海底に縞状鉄鉱層を分厚く堆積させた。宇宙船から見れば、当時の浅海域はストロマトライトで埋め尽くされ、海水は赤みがかっていたであろう。17億年前に海水中の鉄分がほとんど除去されたので、遊離酸素は大気中に拡散して陸上の岩石に含まれた鉄を酸化していった。そのため大陸の乾燥地域には赤色の砂漠が広がった。しかし陸上にはまだ生き物の影は全く無かった。

約7億年前、大陸は全面的に氷河で覆われ、地球は白い「氷球」に変わった。しかし1億年後(6億2000万年前)のベンド紀になると巨大な氷床が消え去り再び赤茶けた大地が現れた。しかし大陸周辺の浅海域には、以前とは違って、ストロマトライトではなく、平べったい水枕や柄の無い団扇のような形をしたディッキンソニアや三葉虫に似たスプリギナのような硬組織をもたない30種類ほどの大型生物からなるエディアカラ動物群が繁栄していた。その後も大氷床は何度か発達したが、氷床が後退する度に大陸周辺に浅海が広がり、その新天地に新たな生態系が繁栄した。

Trackback URL


Comments

Comment form