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2003.07.07 Monday

山形県の発展方向と君たちの進路

「地球史が教える若者の生き方」 原田憲一 (c)Harada, Kenichi 2002-
10.山形県の発展方向と君たちの進路

山形県では10年ごとに総合発展計画を策定しています。これから山形県をどういう県にしていけばよいかを、各界の専門家が集まって検討して、いくつかの案を出す。そして最終的に、知事が「よし、これでいこう」と決めて実行していくわけです。平成7年には伊藤善市先生という帝京大学教授が中心となって、計画案がまとめあげられました。(註13)それを5年後(平成12年)に見直すこととなり、今度は芳賀徹先生という京都造形芸術大学の学長が中心となって、上記計画に基づいて、特に3つの方向で山形県を伸ばしていこうという答申を高橋和雄知事に出しました。(註14)

その一つは、まさしく「美しい山形へ」。山形県民は人間の本流をまっすぐに歩いて行こうではないか、という提案です。それから「豊かな山形へ」。この美しさを求めるには、どんなに貧乏でも夢を見失わずに頑張る人もいますが、やはりある程度の豊かさが必要なので、県民の暮らしを豊かにしようということです。しかし、これらは山形県民だけが達成すればよい目標ではない。日本人でも外国人でも山形県を訪れてみたい人は誰でも暖かく受け入れて、我われの生き方に共鳴してもらう。そういう「開かれた山形」にしよう、と提言したわけです。
そう思って県内をみると、「美しい山形へ」に対して「芸術」に関する総合大学としての東北芸術工科大学があります。10年以上前から多くの学生を育てています。「開かれた山形へ」に関しては、世界で初めて「公益学」を教育研究する東北公益文科大学が3年前に酒田に開設され、ユニークな活動を展開しています。それから「豊かな山形へ」という役割は、理系・文系6学部を持つ総合大学である山形大学が担っている。これら3大学がスクラムを組んで、本県の進むべき方向を切り開いていく若者の教育を受け持っているわけです。

君たちも、これから進学や進路についていろいろ考え、悩むことでしょう。けれども、まず自分自身の生き方に自信を持ってください。それで、大学に進むといっても、県外にも外国にも大学はいっぱいありますが、山形県を美しくする、豊かにする、そして他者に開かれた県にする。そういう役割を持った大学が身近にあることも意識したうえで、これからどういう生き方をしていくべきかを考えてください。勿論、午後から詳しく紹介してもらう「やまがたのすごい人」のように、若くして家業を継いだり就職したりして、仕事を通じて自分の夢を実現していく道もあります。選択肢は君たちが考えている以上に多様なのです。

開会の挨拶で「生き方」とは文化であり「文化」とは生き方だ、という話が出ました。21世紀の山形を担う君たちが「やまがたのすごい人」から生き方を学び、これからの山形の文化を創造し、発展させていただきたいと期待していますので、午後からの発表会を楽しみにしています。ご静聴ありがとうございました。

註13 山形県『人はばたく山形 ゆとり都』(山形県新総合発展計画)
註14 山形県『山形県新総合発展計画 後期主要プロジェクト』

〔本稿は、山形県が起こしたテープ原稿を、筆者が編集し加筆修正したものです。県が作成した報告書に収録された講演記録とは若干異なっています。〕

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