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2007.03.12 Monday

ぬば玉の黒髪山を朝越えて木の下露に濡れににけるかも

nubatama
(画像はgoogleイメージ検索より)

 「ぬばたま」についてちょっとお話しましょう。

 ヌバタマは、ヒオウギ(檜扇)というアヤメ科の花の種子に由来して
います。夏に花が咲き、秋に実がなります。その果皮がわりに早く落
ちて、種子が裸出します。その種子が黒くて小さく、ヌバタマと呼ばれました。
 このヌバタマから、枕詞「ぬばたまの」ができました。黒・夜・闇・髪
などにかかります。

 ヒオウギの名は葉のつき方が檜扇に似ているからです。檜扇は、
貴族正装に用いた扇です。
 ヒオウギに射干の字が宛てられるのは、この草の漢名が射干(シャ
カン)であることによります。

 花は、六弁で、色はだいだい色、赤い斑点があります。切り花とし
て愛好されます。どういうわけか、伝統的に祇園祭の時によく活けられます。

 「ぬばたま」は平安時代以降、「うばたま」になりました。今、京和
菓子に「うばたま」というのがあります。黒くて小さいのですが、茶
人たちに好まれます。

 お蔭様で、私はどうにか元気で日々を過ごしております。

ぬばたま上野      2007年3月10日夜

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上野先生から掲載許可をいただき、39_mlへの先生の投稿をここに転載いたします。
上野先生に感謝いたします。

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